1995.09.14日刊新周南●徳山●
櫛ケ浜弁の「三人吉三」上演へ
石丸会長の追悼公演で
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子役も加わって稽古する一座6.22
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昨年、徳山市櫛浜地区の敬老会に初めて登場して大好評だった八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)が今年も15日、櫛浜小体育館で開かれる敬老会の舞台に立つ。今年の演目は「三人吉三巴の白浪櫛ケ浜堀川端の場」。櫛ケ浜弁もたっぷり盛り込んでお年寄りを楽しませようと、日刊新周南に「やっぱり歌舞伎」を連載中の下松市旗岡の内山慧さんの演出で稽古にも熱が入っている。
八千代座は昨年、アトラクションが始まると帰る人が目立つ敬老会を盛り上げようと地区の有志が集って発足。名称もお年寄りに親しまれるようにと以前、櫛ケ浜にあった劇場にちなんで名づけた。初めての昨年は、「切られ与三」を演じたが好評で、老人ホームや地区の文化祭でも上演した。
今年は長く地区コミュニティ推進協議会長などを務めていた石丸勝さんが亡くなったためその追悼公演とし、芝居の中にも石丸さんの名前が登場する。
15日の櫛浜敬老会で八千代座
稽古に熱が入る座員たち
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芝居の内容は内山さんが「役者のセリフを聞かせる芝居で、隈取りの役者が登場する荒事も入れて歌舞伎バラエティにした」と話し、上演時間も30分の大作。
しかし、役者たちは櫛浜公民館を稽古場に、持ち寄った古い着物に刀を差しての稽古に大張り切り。物語は夜鷹おとせが石丸会長の落とした百両を交番に届けようとするのをお嬢吉三が呼び止めて巻き上げる。さらにお坊吉三が登場してお嬢吉三と争うところを和尚吉三が止めに入り、3人の盗賊が義兄弟になるというもの。
配役は和尚吉三が鼓海淳之助こと小林淳子さん▽お坊吉三が鼓海誠之丞の中村誠さん▽お嬢吉三が鼓海浩之進の有馬浩さん▽夜鷹おとせが鼓海二三之丞の魚谷二三子さん。そのほか子役として三味線の本條広栄さんこと玉野千津子さんの孫で櫛浜小2年の玉野友都さんも出演する。また、座長の米藤さんは鼓海八千代の名で三人吉三に絡む太華の浜五郎を演じる。
会場を大喜びさせた八千代座の熱演9.15
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そのほか裏方として地区の人たちが応援し、指導が植木容子さん、美術が村井周作さん、照明は地区のビデオクラブ、大道具は浅田和彦さんと松本正生さん、小道具は櫛浜体育振興会と岩田弘子、藤井俊子、西田栄子、伊藤悦子さんと着付けを加藤三枝子さんが担当している。
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