1999.03.17日刊新周南●徳山●
八千代座歌舞伎西京賞受賞
西京教育文化振興財団が助成

受賞
助成に喜ぶ米藤さん(中央)ら
 西京教育文化振興財団(理事長・大橋光博西京銀行頭取)の今年度の助成金交付式と表彰式が15日、徳山市の同行本店であり、同市櫛ケ浜の八千代座歌舞伎(米藤千津子座長、7人)など3団体に助成金が交付された。米藤さん(52)ら3人は舞台衣装姿で受賞し、会場を和ませた。
 同財団は1990年(H2)3月に同行創立60周年を記念して設立され、翌年から県内の文化、芸術、スポーツの団体に助成している。同行の寄贈などによる基金3億1千万円で運営され、団体助成のほか一流オーケストラを呼ぶ西京コンサートを開いている。


舞台衣装で堂々と受賞

南部
懸命に演じる出演者たち
 八千代座歌舞伎は文化部門で30万円。このほか芸術部門で下関市民オーケストラに50万円▽スポーツ部門で山口市の西京高に80万円がそれぞれ贈られた。助成団体は昨年に続いて3団体で、累計は51団体になった。大橋理事長はあいさつで「景気が厳しい中、絞る形での助成になったが、環境が好転すればもっと助成していきたい」と述べた。
 八千代座歌舞伎は1995年(H6)に櫛ケ浜地区の敬老会を盛り上げようと結成され、花岡歌舞伎主宰の内山慧さんの指導で力をつけ、昨年の敬老会では大石内蔵助と瑶泉院との別れを描いた「元禄忠臣蔵・南部坂雪の別れ」を上演、感動を呼んだ。
 この日は米藤さんと小林淳子さん、瑶泉院を演じた三明真州美さんが舞台の扮装で出席した。
 米藤さんは「助成金はカツラや照明器具などの購入にあてたい。大変有り難い」と喜んでいた。


1999.05.11日刊新周南●徳山●
「南部坂雪の別れ」を上演
 5周年と西京賞の受賞祝い

南部坂
けいこに励む八千代座の座員
 徳山市櫛ケ浜の八千代座歌舞伎が発足5周年と西京教育振興財団から表彰されたのを記念して16日午前11時から櫛浜公民館で特別公演し「元禄忠臣蔵」から「南部坂雪の別れ」を上演する。敬老会での上演を主眼にしてきた八千代座にとって一般に呼びかける初の特別公演で、米藤千津子座長(52)は「たくさんの人に見て欲しい」と呼び掛けている。
 八千代座は1994年(H6)年に櫛浜地区の敬老会を盛り上げようと結成された。座員は地域の30代から60代までの男女7人。下松市の花岡歌舞伎を主宰している内山慧さんの指導で実力をつけ、地域の敬老会で新作を上演するほか、老人ホームでもお年寄りの人気の一座になっている。


16日・八千代座歌舞伎が特別公演

南部坂2
熱演する八千代座の舞台
 公演では八千代座の舞台の音響、照明を手伝っている同公民館ビデオクラブが製作したビデオ「河豚の詩」の上映や地元の人たちの踊り、手品、三味線、がまの油売りなどで楽しませ、最後が八千代座。
 「南部坂…」は赤穂浪士の討ち入り前、大石内蔵助が浅野内匠頭の菩提寺、泉岳寺に参ったあと、正室の瑶泉院を訪ねるが、胸の内を明かせず焼香も許されないまま歌に思いを託して辞し、雪の中、最後の別れを告げるという悲しい一幕。間瀬喜兵衛を演じる米藤さんは「地元の皆さんのおかげで5周年を迎え、表彰された感謝の気持ちを込めて演じます」と練習に励んでいる。その他の配役次の通り。(敬称略)
 大石内蔵助=有馬浩▽瑶泉院=三明真州美▽落合与右衛門=中村誠▽渋川五太夫=小林淳子▽腰元おうめ=魚谷二三子▽羽倉斎宮=佐伯伸治▽三味線=玉野千津子





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