1999.09.17日刊新周南●徳山●
お健やかに
各地で長寿祝う
見せ場たっぷりに「瞼の母」

瞼の母2
熱演する八千代座のメンバー
 敬老の日の15日、徳山市櫛浜地区の記念行事が櫛浜小体育館で450人が参加して開かれ、地域の芸達者が練習を重ねた八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)の「瞼の母」が上演された。客席では最後まで熱心に見入るお年寄りも多く「2、3年前とは問題にならないぐらい上手になった」と感心していた。
 八千代座歌舞伎は途中で帰ってしまう人が多かった敬老会のアトラクションを楽しいものにしようと始まり、下松市で花岡歌舞伎を主宰している内山慧さんの指導で腕をあげ、敬老会の恒例になっている。


八千代座歌舞伎が熱演
櫛浜・地区ぐるみで敬老行事

瞼の母
お年寄りを感激させた
八千代座の舞台
 同地区の記念行事は地区社会福祉協議会(西村孝会長)の主催。地区ぐるみで取り組み、式典では櫛浜小1年の古本修平君と6年の松田恵子さんが作文を読み上げたり、同地区にある宇野本院(宇野慎一院長)の医師、看護婦らも待機してお年寄りが気分が悪くなったときに備えた。
 「瞼の母」では、ヤクザになった番場の忠太郎が母のおはまと再会した場面の、名乗りをあげるべきか、揺れ動く心を見せながらのやりとり「上と下のまぶたを合わせれば、おっかさんの面影が浮かんでくる」の名セリフなど見せ場もたっぷりに忠太郎役の中村誠さんらが熱演。米藤座長は舞台衣装でお年寄りを見送りながら「きょうは余りいいできではなかった。全体にもっと濃淡を出したい」と次の舞台へ意欲を見せていた。



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