2003.09.11新周南
「赤城の山も…」の名せりふ
八千代座歌舞伎が敬老会で公演
●周南徳山・15日●
 周南市櫛浜地区の敬老会で毎年、上演されている八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)が今年も15日午前10時半から櫛浜小体育館で公演し、今回は新国劇から「極付国定忠治」。「赤城の山も今夜を限り…」の名台詞でお馴染みの芝居で楽しませる。
 八千代座歌舞伎は途中で帰る人の多かった敬老会のアトラクションを最後まで見てもらおうと始まり、今年が10周年になる。
 下松市の花岡歌舞伎主宰、内山慧さんの指導で昨年は内山さんの演出、脚本で櫛ケ浜出身の偉人を題材にしたオリジナル作品「村井喜右衛門伝」に挑戦。藩制時代に長崎湾口で沈んだオランダ船を独自の工法で引き揚げた喜右衛門の姿を見事に演じて話題になった。

今年は新国劇「極付国定忠治」

忠治
練習する座員たち
 今年は一転して新国劇を代表する行友李風作の芝居。赤城の山に立てこもった国定忠治が子分たちと別れて山を降り、非道な山形屋藤造を懲らしめようとする筋立て。子分との別れの場面が有名だが、座長の米藤さんは「最後のわずか2分間の立ち回りがうまく行くかどうかで芝居が決まる」と話し、5月から懸命の練習を重ねてきた。
 国定忠治は中村誠さん、藤造は有馬浩さん、忠治の子分の板割浅太郎は三明真州美さん、三津木の文蔵は魚谷二三子さん、清水の巌鉄は弘中友子さん、喜右衛門は小林淳子さん、日光の円蔵は米藤さん。内山さんも忠治に助けられるお芳で特別出演し、三味線は玉野千津子さんが担当する。
 その他スタッフは指導が植木容子さん、美術担当が村井周作さん、音響・照明は櫛浜ビデオクラブ、大道具はコメコメクラブ、小道具は西田栄子、中村由美子、岩崎智恵美、浅田美代子さん、着付けは三輪ゆう子さんで、かつらは美容室Haruが担当している。


2003.09.17新周南
「赤城の山も…」の名ぜりふ見事に
八千代座歌舞伎が敬老会で公演

内山さんのアドリブで爆笑も
●周南徳山・15日●

 周南市櫛浜地区の敬老会の行事が15日、櫛浜小体育館で開かれ、結成10年目を迎えた八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)の「極付国定忠治」が約200人のお年寄りを楽しませた。
忠治
名せりふで演じる“国定忠治”(中央)
 「八千代座」の名はかつて同地区にあった芝居小屋にちなんだもの。有志が役者や裏方になり、花岡歌舞伎主宰の内山慧さんが指導している。
 「極付国定忠治」は赤城の山に立てこもった忠治が子分たちと別れて山を降り、非道な山形屋藤造をこらしめようという筋立てで、5月から練習を続けてきた。
 忠治役は中村誠さんで「赤城の山も今夜を限り、雁が鳴いて南の空に飛んでいかあ」の名ぜりふには大きな拍手。弱い者に悪事を働いた藤造の子分を忠治がこらしめ、特別出演の内山さんが売られた娘“お芳”役で登場すると「マジ?」「親分さん、だ〜い好き」などのアドリブで爆笑になり、最後に忠治が藤造と子分たちを一人残らず切って捨てると再び大きな拍手が起きた。
 主催の地区社会福祉協議会の西村孝会長は「お年寄りに喜んでほしいという思いがひしひし伝わる舞台。皆さんに敬意を表したい」と感謝していた。



2003.12.7sinsyunan
忠治
「国定忠治」を演じる座員たち
八千代座が「国定忠治」上演
きさんの里で
お年寄り魅了

 周南市櫛ケ浜の八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)の20人が7日、西金剛山の養護老人ホームきさんの里(片山秀次施設長、125人)を訪問し、お年寄りを前におなじみの「国定忠治」を熱演した。
 八千代座歌舞伎は櫛ケ浜地区の敬老会で歌舞伎を演じるために結成し、老人ホームでも公演して喜ばれている。
 「赤城の山も…」で知られる行友李風作の「国定忠治」は今年の敬老会でも上演し、花岡歌舞伎の主宰者で八千代座も指導している内山慧さんが改修・演出した。
この日は紫扇会の5人の踊りに続いて登場。子分たちに囲まれた中村誠さんが演じる国定忠治が刀を手に「赤城の山もこよいを…」の名せりふを始めるとお年寄りたちは食い入るように見入っていた。



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