八千代座歌舞伎は敬老会からすぐ帰るお年寄りたちに楽しい芝居で最後まで楽しんでもらおうと9年前に発足。下松市の花岡歌舞伎主宰、内山慧(さとし)さんの脚本・演出で毎年、歌舞伎の人気演目を上演して好評で、老人ホームにも出張公演して喜ばせている。 今回の「村井喜右衛門伝」は江戸時代、長崎の香焼島沖に沈んだオランダ帆船、エリザ号を引き揚げるという大事業を知恵と仲間の協力で成功させた喜右衛門の話を村井周作さんの原案、内山さんの脚本で歌舞伎にした初のオリジナル作品。 幕開けはエリザ号引き揚げに頭を抱える長崎奉行所に香焼島で回船業をしていた徳山市櫛ケ浜の喜右衛門が弟の亀次郎と訪れる場面。 漁師などがと追い返されたあと奉行所の役人が喜右衛門を訪ねて引き揚げを依頼し、役人の態度に腹を立てていた亀次郎は反対するが、喜右衛門が考えていた引き揚げ方法を明かし、漁師の力を示そうと心を合わせ、クライマックスの引き揚げシーンへと展開する。
芝居は1幕4場で約1時間。後ろ半分が沈んだベニヤ板のエリザ号が少しずつ姿を見せ、引き揚げ最中の事故で樽が海上に飛び出す場面をできるだけ忠実に表現しようと苦心している。 喜右衛門役は渋い演技の中村誠さん。亀次郎を三明真州美さん、奉行を米藤さん、役人を魚谷二三子さん、弘中友子さん、番頭を小林淳子さん、香焼島の網元を有馬浩さん、息子を櫛浜小6年の玉野芳幸君が演じる。 5月から本読みを始めて今は立ちげいこに入っているが、今回はセリフが多く、長崎弁と櫛ケ浜弁を駆使するため、苦戦しながら頑張っている。 内山さんは「櫛ケ浜の人に待望の芝居。できるだけ良いものにしたい」と意気込み、米藤さんは「若い人にも見てもらって地元にこんなすごい人がいたことを知ってほしい」と話していた。 |
2002.09.15櫛浜敬老会上演・櫛浜小学校体育館 八千代座歌舞伎 四場 喜右衛門引き揚げ成功す(写真提供・浜田心仁様) 村井 周作 原案 |
2003.10.16新周南
徳山中央ライオンズクラブ(山下義治会長、48人)の認証35周年を祝う“周南ボランティア芸術座”特別公演が12日、周南市民館大ホールで開かれ、約500人が楽しんだ。 出演したのは徳山少年少女合唱団(掛川潔団長)と櫛ケ浜の八千代座歌舞伎(米藤千津子座長)、紫扇会(花柳弥津絵主宰)、菊川公民館の駒菊マンドリンクラブ(高杉栄代表)。
山下会長は「ボランティア団体と私たちのクラブが力を合わせた舞台をたくさんの人に楽しんでもらえた」と盛況を喜んでいた。
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