1994.08.25日刊新周南●徳山●
同地区では毎年9月15日の敬老の日には婦人会が中心になって楽しい敬老会を開いているが、これまでカラオケや手品など様々な余興をしても、最後まで残ってくれるお年寄りが少ないのが悩みの種になっていた。 このため、婦人会の役員をしている米藤さんが働きかけて同志を集め、市文化振興財団の植木容子さんに相談して内山さんを紹介してもらって、旗揚げにこぎつけた。
これに協力を申し出たのが地元で町の行事の映像を残そうと5年前から活発に活動している櫛浜ビデオクラブ(浅田和彦代表、11人)。音響、照明、ビデオ撮影を一手に引き受け、一座の紹介など進行の放送も担当することになった。 以来、演目は誰でも知っている「切られ与三・源氏店妾宅の場」を選び、櫛浜コミュニティセンターや櫛浜公民館で稽古を続け、週2回も稽古したことがあるほどだが、お富は社協の副会長も務める鼓海浩之進こと有馬浩さん(61)▽切られ与三に婦人バレーの鼓海淳之助こと小林淳子さん(54)▽蝙蝠安に鼓海八千代の米藤さん▽手代藤八に婦人会の鼓海俊之丞こと藤井俊子さん(47)という配役。これに三味線の本條広栄こと玉野千津子さん(62)が登場する。
米藤さんは「芝居をすればお年寄りに喜んでもらえるとは思ったが、まさか自分が舞台に立つことになるとは。でも楽しい」と内山さんに厳しく注意されながらも懸命な舞台を勤め、本公演が終わったら来年春まで各地を慰問し、また新しい舞台に取り組みたいと懸命だった。 |