1997.09.17日刊新周南●徳山●
「弁天娘女男白浪」に大拍手
“八千代座歌舞伎”見事に

弁天小僧
弁天小僧(中央)が姿を現した場面
 徳山市櫛浜地区の敬老会が15日、櫛浜小体育館で開かれ、今年も同地区の八千代座(米藤千津子座長)が登場して歌舞伎「弁天娘女男白浪・浜松屋の場」を熱演した。今年で4回目だが、出演者の役者ぶりも板につき、出席した400人のお年寄りは最後まで舞台に引き込まれていた。
 この日の敬老会では櫛浜小1年の玉野芳幸君、6年の中山智子さんが作文を発表。また地区の高齢者を紹介する「長寿番付表」も配られた。演芸の部ではまず櫛浜小金管バンドが「ロッキーのテーマ」などを演奏、同バンドの伴奏で参加者全員が「大楠公」を元気に歌った。


お年寄りも名演技に熱中

弁天小僧2
弁天小僧の名セリフに真剣なけいこ
 しんがりが八千代座歌舞伎の舞台。八千代座は同地区の敬老会を盛り上げ、最後までお年寄りに楽しんでもらおうと考えた女性たちが結成し、照明、大道具、小道具からビデオ撮影まで地区の人たちが裏方を引き受け、下松市で花岡歌舞伎を指導し、本紙に「やっぱり歌舞伎」を連載している内山慧さんの演出で練習を重ねている。
 今年の演目は、呉服屋の浜松屋に武家の娘に化けて南郷力丸といっしょにゆすりに押しかけた弁天小僧が、見破られて正体を現し、片肌脱いで彫り物もあらわに「知らざあ言って聞かせやしょう。浜の真砂と五右衛門が、歌に残せし盗人の、種は尽きねえ七里ケ浜…」と名セリフを聞かせるお馴染みの芝居。
 本條広栄(本名・玉野千津子)さんの三味線に乗せて、弁天小僧の鼓海浩之進こと有馬浩さんの上品な娘が一転して見せるすごみのあるしぐさ、鼓海誠之丞こと中村誠さんの南郷力丸のめりはりが効いたせりふ、鼓海淳之助こと小林淳子さんの浜松屋幸兵衛の櫛ケ浜弁たっぷりのユーモラスな演技に惜しみない拍手や笑いが会場にあふれ、お年寄りや接待の地区の婦人たちも大喜びだった。
 その他の配役次の通り。(敬称略)
 ▽日本駄右衛門を米藤座長▽番頭左兵衛を魚谷二三子▽鳶の頭清次を三明真州美


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