きえもんコレクション「西洋浪漫」丸皿 (9)砂糖20俵、帽子と煙管 たとえ喜右衛門が固辞したにせよ、オランダ商館や船長から相当の礼物を贈ったであろうとは、誰も想像するところであるが、記録の上には全く不明である。 ただ 「日蘭三百年の親交」 には、砂糖20俵を贈ったと記されてある。 「寛政美談」 によれば、引き上げの成功の時に、オランダ人から酒入り フラスコ 14本を贈ってきた。その後に年々防州櫛ケ浜村井家宛に、砂糖を贈って来るのを例としていたが、それは長崎奉行所と藩庁との手を経るので、 オランダ人の送り出す分量は不明であるが、村井家の手に入る時には、わずかに2、3斤に過ぎなかったとの笑い話が載せてある。
また「日蘭三百年の親交」 の中に、エリザ号は5月19日無事に長崎を出帆したけれども、途中で再び難船して長崎に帰着し、修繕を加えて出発したが、不幸にも三たび難船して沈没したとしるしてある。 漢文で書かれた 村井喜右衛門伝 には、オランダ人が喜右衛門の肖像を写して、帰国の土産にしたことが載せてある。
|