佐藤権兵衛書状
佐藤権兵衛様より頂戴之
御書扇子一本相添候事
その方家祖村井喜右衛門こと
紅毛船おいて長崎沈舟浮け方に
手柄これあり御賞美仰せ付けなされ
御礼出萩おいて宍戸殿手前
参着の節両三度相対浮け方
始終承り候次第直に扇面に記し置
裏に信の字村井喜右衛門とこれあり文字は
喜右衛門の自筆也別段控これあり手前
老衰扇子も持ち古し不用につき
家筋へ差し越したく如何様共
致さるべく候委曲森重久蔵へあい含み
承知申さるべく候以上
天保五年午二月朔日佐藤権兵衛
村井市左衛門殿へ
喜右衛門人物大きく候て肥ふとく温和に
あい見え候信を本とすと云て信の字を
記しぬ常々住吉信仰すといふ
権兵衛永忠七十四齢
これを記す
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