2013年4月24日(水)the daily new shunan
●徳山●

ななはた探訪会が冊子
「四熊八十八ケ所霊場めぐり」
30日・130年続く大師祭

【写真説明】完成を喜ぶななはた探訪会の会員
 周南市四熊のななはた探訪会(大田美和子会長、11人)が地元の88カ所霊場を紹介する冊子「四熊八十八ケ所霊場めぐり」をまとめた。1882年(M15)の旧暦の3月21日に開眼法要が営まれて以来、130年間親しまれ、毎年2回の大師祭にはたくさんの人が遍路に訪れており、次回の旧暦3月21日にあたる4月30日の縁日ではこの冊子も販売することにしている。  四熊は四熊ケ岳のふもとの農村。現在は過疎化が進んで人口は500人ほどになっている。“ななはた”は7つの集落があることにちなんだ四熊の別名で、同会は2006年(H18)6月に発足し、08年(H20)に郷土誌「周防小富士ななはた」をまとめている。
【写真説明】
完成した「四熊八十八ケ所霊場めぐり」
 88カ所霊場もその中で取り上げたが、今回は副会長の兼重和則さん(81)が中心になって地区内に散在している全霊場をカラー写真と手書きの地図を入れて紹介したもの。130年前、開設に尽力した小林重左衛門の子孫の小林真さん(88)の協力で由来も記し、資料も掲載している。  小林さんの話では、重左衛門は家伝の薬を製造してその販売のために四国を回り、弘法大師ゆかりの霊場を故郷にも作りたいと考えて住民に相談し、各家庭の庭の一角などに仏像を納めたほこらを建てて霊場とした。このため、1番と88番の霊場は小林さん宅にある。  霊場は歩いても1日がかりで回れる距離にあり、開設以来、毎年、旧暦の3月21日と7月21日に大師祭が開かれ、住民が菓子、赤飯などの接待で遍路に訪れる人たちを迎えている。また長い間に傷んだ霊場もあったが1992年(H4)の110周年に合わせて修復し、旧暦3月21日に記念供養祭も開いた。  すべての霊場がそろい、縁日が続いている88カ所は同地区の住民の自慢でもあり、冊子の完成を喜んでいる。値段は1冊1,400円。30日は同公民館(0834-63-0108)で販売する。